薬事ニュース社
オピニオン

>>>攻撃は最大の防御<<<
 納豆が食中毒の予防に効果を発揮するという話を聞いたことがある。納豆に含まれる成分が食中毒の原因菌を抑える作用があるので、納豆を食べることが食中毒の予防になるという。生の食べ物はよく加熱することはもちろんだが、万が一菌が入ってきた場合に備えて、体内で菌と闘う準備をしておくことも、予防において大切な要素となるだろう。身近な食べ物がこのような効果を持っているとは心強いものだ。
 蚊が媒介するウイルスによって高熱や頭痛、吐き気などの症状をあらわし、死にいたる可能性のある病気「デング熱」には特効薬やワクチンがないとされ、そのため、予防が重要な鍵となる。
 あるスリランカの新聞は読者たちを守る方法を発明したという。それは、シトロネラソウのエッセンス入りインクを使った新聞で、天然成分による虫除けだ。読者はニュースを知ることができるとともに、蚊を寄せ付けない、一石二鳥の新聞といえる。地球上から蚊を完全に排除することはできないだろう。身の回りにあるものを組み合わせて先手を打つとは、ありそうでなかったことだと思う。
 ワクチンや特効薬が見つかるに越したことはないのだろうが、このように、すでに世の中にあるものを活用して病気を予防するという知恵も、どんどん開発されていけばいいと思う。
(2014年8月1日掲載)