薬事ニュース社
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>>>読まれるメルマガのセオリー<<<
 PMDA(医薬品医療機器総合機構)が配信している医薬品医療機器情報配信サービス(プッシュメール)の登録者数を増やすべく、初の意見交換会が11月16日に開催された。プッシュメールは「緊急安全性情報」や「使用上の注意の改訂指示通知」などの情報を、病院や薬局等に配信するサービス。現在、登録者数は3万人だが、13年度までに15万件を目標に掲げている。15万件の根拠は、全国の主だった病院、診療所、薬局等の施設を合計した数だとか。
 意見交換会では、PMDAのプッシュメールに対し「そもそもターゲットは施設なのか、個人なのか」「パッと見て内容がわかるようにサマリーを入れてほしい」「情報がみんなフラット。強弱をつけないと」などなど、さまざまな意見が出された。▽ターゲットを明確にすること▽一覧性を持たせること▽記事に強弱を付けること――これらは、雑誌などを編集する上での基本的なセオリー。それが、医師や薬剤師等の各団体の代表者から出たということに若干の戸惑いを覚えた。彼らは、自分の病院のホームページやメールマガジンに、これらのセオリーを活用しているということだろう。「ネットのせいで雑誌が売れない」などと言われているが、ネットでは、編集に関しては素人の人たちが、雑誌編集のセオリーを使ってHPやメルマガを作っているのだ。ひるがえって、当の雑誌はどうか……。出版不況といわれて久しいが、その理由の一つを垣間見た気がした。
(2010年11月26日掲載)