薬事ニュース社
オピニオン

>>>生成AI元年<<<
 2023年のヒット商品番付で、東の横綱に「生成AI」が選ばれた。「ChatGPT」が2022年11月にリリースされて以降、企業や学校、自治体などで活用が広がった。文書作成だけでなく画像やイラストも生成するAIも話題を呼び、2023年は「生成AI元年」とも呼ばれている。製薬業界においても、中外製薬、住友ファーマ、小野薬品、小林製薬、ロート製薬などがChatGPTもしくは同様の機能を持つ独自の生成AIを業務に導入している。
 とくに製薬企業は生成AIとの相性がよいと言われている。論文検索、薬剤設計、臨床試験のデザインや分析、報告書や申請書の作成、生産計画の立案、リアルワールドデータの収集、マーケティング……生成AIの利活用案がいろいろと出てくる。もちろん、メディアに提供されるプレスリリースも、そのうち生成AIが作成したものが送られてくるようになるだろう(すでに送られてきているのかもしれないが)。
 メディアにとっても生成AIの利便性は高い。ネタ探し、質問項目の提案、文章の提案などもしてくれる。筆者もAIによる自動文字起こしを利用しているが、従来では1~2日かかったテープ起こしが、PCで音声データをアップロードするだけで、1分程度でテキスト化してくれる。「テープ起こしの仕事は商売あがったりだね」などと思っているとやけどする。「プレスリリースからニュース記事を自動執筆する生成AI」なるものも出てきているのだ。なお、この文章は生成AIではないことを付しておく。
(2024年1月12日掲載)