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>>>後発品目標「80%」<<<
 後発医薬品の新たな目標を巡る政府内の調整が大詰めを迎えている。達成時期に関しては、「17年度末」と「2020年度末」で平行線を辿っているものの、数量シェア「80%」という目標値は、ほぼ合意形成が得られている。この「80%」を巡って業界内では様々な意見が飛び交っており、先日開催された日本ジェネリック医薬品学会の学術大会でも「80%に到達すれば、医薬品を取り巻く世界が変わるのではないか」といった声が聞かれた。
 もちろん言うまでもなく、80%への道は決して平坦ではない。日本ジェネリック医薬品学会の武藤正樹理事長は「抗がん剤や抗精神病薬など、薬効によって後発品への置き換えが全く進んでいないものもある。従来の60%と比べて80%はかなり高いハードルだと思う」と話す。
 すでに次期診療報酬改定に向けては、銘柄指定処方せんの問題が議論の俎上に載せられているが、複数の関係者は「従来の誘導策で本当に80%に到達するかどうかは未知数だ」とみる。これまでに厚労省は、後発医薬品調剤体制加算やDPCの機能評価係数における後発医薬品係数の導入など、様々な使用促進策を打ち出してきた。後発品業界の関係者は「80%に向けて打つべき施策のうち、残されたものは限られている」と述べ、日本版の参照価格制度の導入に期待感を示した。
(2015年6月19日掲載)