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>>>プロフェッショナルとは?<<<
 サッカー日本代表は、W杯アジア1次予選最終戦を無事1位で通過、来年はいよいよ最終予選だ。Jリーグスタートから10年余り。サッカーファンとしては、日本代表が常に世界を狙えるレベルにまで進歩したことは大きな喜びだ。進歩をもたらした要因は、近代戦術や若年層からの選手育成制度の導入などが挙げられるだろうが、なんと言ってもプロ化が大きい。
 Jリーグスタート当時の試合を振り返ると、相手ゴール付近でディフェンダーと接触した攻撃側が、派手に倒れこむ場面が良く見られた。ディフェンダーのファールによるPKをもらうためだ。性質が悪いのになると、接触してもいないのにすっ飛んでいた。これなどは、審判や観客を騙そうとする汚いプレイであり、「プロとして結果を出さねば」という意識の歪んだ現われの典型だろう。
 現在は、そのようなプレイを見ることはめっきり減った。敵陣深くでわざと大げさに倒れることは、非紳士的行為としてイエローカードの対象になるし、ディフェンダーの激しいあたりにも負けず、ゴールを決める選手が評価されている。
 当時から、前述のような汚いプレイが少ないのが三浦知良選手で、中田英寿選手がイタリアで成功したのも、世界トップリーグの激しいあたりに負けない身体に鍛え上げたからだ。プロフェッショナルについて考える時、日本のプロサッカーを牽引した2人のパイオニアから学ぶことは多い。

(2004年11月26日掲載)