薬事ニュース社
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>>>規制改革「中立」副大臣<<<
 「規制緩和の推進派でもなければ反対派でもない。合理的かどうかといった視点で全ての規制・制度に取り組んでいきたい」――。1月18日に専門紙記者クラブで挨拶を行った大塚耕平厚生労働副大臣は、厚生行政に係る規制改革へのスタンスとして、このように語っている。どちらかと言えばこれまでの経歴から、"規制緩和推進派"との見方が強い大塚副大臣だが、厚生労働省の関係者は「それほど規制緩和に積極的ではない」と見ているようだ。事実、3月6日に行われた規制仕分けでは、厚労省の幹部職員と一丸となり、行政刷新会議側と白熱した議論を繰り広げていた。
 それでは日本医師会や日本薬剤師会などの団体はどのように評価しているのか。日医の中川俊男副会長は会見で、「一度お会いしたが(規制緩和を推進しようという)流れを感じた」と苦い表情を浮かべながら語っている一方、日薬の児玉孝会長は「今まではそういう(内閣府・規制改革担当大臣)立場だったが、今度は逆の立場になって判断すると話しており、一概に規制緩和推進派とは思えない」との見解を示す。
 日本銀行に入行して金融政策の運営や経済分析などを担当し、国会議員当選後は、規制改革や郵政改革を担う内閣府・副大臣を務めてきた大塚副大臣。こうした背景を踏まえて、ある厚労省幹部は「元々お金の世界から来ている人なので、規制緩和に対するスタンスも案件によって大きく違う。特に金が絡む医療や診療報酬であれば、(規制緩和に)積極的な姿勢を見せるが、OTC薬のネット販売規制の緩和などは、あまり金が動かないため、そこまでポリティカルに映っていないのではないか」と冷静に分析している。
(2011年3月11日掲載)