薬事ニュース社
オピニオン
>>>改正健康保険法が成立<<<
改正健康保険法が5月29日に成立し、市販薬と成分などが同じ「OTC類似薬」を使う患者に追加負担を求めることなどが決定した。来年3月から始まる予定だ。薬剤価格の4分の1が公的医療保険の適用から外れ、元々の価格の1~3割が特別料金として患者負担に上乗することとなる。政府はこれにより年約900億円の医療費削減を見込む。
対象となるのは77成分、約1100品目。具体的には、抗アレルギー薬「アレグラ」や、解熱鎮痛薬「ロキソニン」など、日常的に処方される薬が多く含まれる。
OTC類似薬を保険適用から外した場合、確かに行政や保険者が負担する医療費は減ることになるが、個人の医療費は増大すると考えられる。そのため、▽子ども▽がんや難病の患者ら配慮が必要な慢性疾患を抱えている人▽低所得者▽入院患者▽医師が対象の薬を長期的に使う必要があると考える人――などは対象患者から除外し、特別料金を徴収しない方針だ。
一方で自己負担が上乗せされた後も、ドラッグストアで販売されているOTC薬の価格と、医療機関で処方されるOTC類似薬の薬価を比較した場合、まだ後者の方が遥かに安い。新制度の導入で医療費削減にどれだけつながるのかの検証が必要で、今後対象品目の拡大や、OTC類似薬の保険適用除外について議論になるはずだ。また同時に、国民へのセルフメディケーションに関する情報提供・啓発の一層の強化も忘れないでほしいと思う。
(2026年6月5日掲載)