薬事ニュース社
オピニオン

>>>功績とスポットライト<<<
 製薬企業や関連団体による表彰式が、今年もここのところ相次いでいる。そうした表彰・受賞の機会が存在することはさまざまな取り組みに対し目を開かせてくれる機会を与えられることにもなるため、意義深いことだと今更ながらに感じ入っている。顕彰されるに値する業績というものは何もノーベル賞に限らないという意味で、実はそこかしこにあるかもしれないとさえいえるからだ。
 例えば、地域に密着した医療活動を通じて地域住民の保健衛生向上に著しく貢献した医師を顕彰し続けている、ある地域医療賞。20回目となる今回は医療過疎地で地域医療に貢献している医師や、原発事故で避難中の身でありながら避難先の地域に密着した医療に努める医師ら、計6名が選ばれた。過疎地や避難先で医療に取り組み続けるのもまた大変な功績であることからすれば、この種の賞がスポットライトを当てる役割は大きいと考える。
 世界中には華々しく輝かしい業績がいくつもあり、われわれ自身の目や耳もそうした仕事の方へとつい奪われがちだ。しかし各分野には必ず地道な取り組みがあるほか、そもそも“縁の下の力持ち”として目立つことのない仕事もある。これらにもどうにかして光が当たるようになればといいと思うとともに、さらにまだ光が当たらない功績に対しても留意し評価できるだけの、確かな目や耳を持てるようになりたいと思っている。
(2013年2月22日掲載)