薬事ニュース社
オピニオン

>>>恐竜VS哺乳類<<<
 NHKの「恐竜VS哺乳類」という番組を見た。生命と進化の不思議さと巧妙さに感心した。恐竜が生まれたのと同時期に生まれていた哺乳類は、捕食されないよう恐竜が寝ている夜の時間を活動時間とし、暗い夜に活動するために聴覚を発達させていった。これが思わぬ副産物を生み出した。高度な聴覚情報を処理するために大脳新皮質が発達したというのだ。哺乳類は、恐竜がより大きな体へと進化している間に、大脳新皮質という哺乳類にしかない脳の進化を遂げていた。
 生物の寿命は体が大きいほど長い。脳の活動によって摂取したほとんどのカロリーを消費してしまうため体は小さく、寿命はせいぜい2~3年だったと見られる。一方、恐竜は体長30mに達する最大級の恐竜の寿命は100年と推定されている。恐竜と比べると哺乳類の一生は大分儚いように見える。しかし、恐竜が1世代経る間に50回もの世代交代を経験し種としての環境適応力を高めていったと聞くと、なるほどと感心させられる。
 恐竜は恐竜で巨体を維持するための進化を続けたが、隕石の衝突に起因する寒冷化で地球上から姿を消した。
 製薬業界では、メガファーマを恐竜に例えた人もいた。隕石の衝突がなく恐竜が滅びなかったら、いまごろ哺乳類はどうなっていただろうか。共存しているだろうか。それぞれどのような進化をたどっただろうか。
(2006年7月28日掲載)