薬事ニュース社
オピニオン

>>>「COVID-19」への対応<<<
 新型コロナウイルス感染症が拡大している状況を踏まえ、各地で予定されていたイベントが中止や延期となっている。スポーツやコンサートをはじめ、学会の各術集会、当局の検討会など、感染拡大の防止という観点からこうした動きが広がっている。感染ルートが明らかではない患者の発生が増えていることや、厚生労働省が2月20日に公表した国民向けのメッセージで、イベントの開催にあたっての考え方を示したことが強く影響しているのだろう。
 このメッセージでは、「現時点では政府として一律の自粛要請を行うものではない」としつつも、感染拡大の防止という観点から、イベント主査者に対しては「開催の必要性を改めて検討」するよう求めている。また国民に対しては、手洗いや咳エチケットの徹底など感染拡大防止につながる行動への協力などを要請。テレワークや時差出勤など、社会全体で環境整備に取り組む重要性も訴えた。
 これが公表された当時は、「実効性がない」などの批判が多く出ていた。ただ、このメッセージに応じた動きが報道されるにつれ、一気に広がりをみせたのは日本人の国民性というところか。新型コロナウイルス対策においては、厚労省は様々な批判を浴びつつも、その現場では、普段感染症とは全く関係のない部署の人員も借り出し、不眠不休で対応している。通常業務もこなしながら、である。敬意を表しつつ、自分でもできる対策に取り組んでいきたい。
(2020年3月6日掲載)