薬事ニュース社
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>>>先生方の意見がまとまらないから<<<
 社会保障審議会医療部会が2月17日に開催された。議題は「医療提供のあり方について」だったが、話は「医療部会の役割について」に飛んだ。この「そもそも論」はおなじみの話題なのだが、今回はちょっと一味違った。「医療イノベーション会議」や「政府・与党社会保障改革検討本部」など、内閣官房等で立ち上がった会議への“あせり”からだ。中川俊男委員(日本医師会副会長)は「頭越しに閣議決定されている。医療部会として声明を出すべき」と主張すると、海辺陽子委員(NPO法人がんと共に生きる会副理事)は「先生方の意見がまとまらないから頭を越されている」と追及。 渡辺俊介委員(国際医療福祉大学大学院教授)も「(内閣で会議が立ちあがるのは)厚労省の会議がステークホルダーの集まりで、利害関係があって意見がまとまらないからと聞いている」と言及した。しかし、加藤達夫委員(国立成育医療研究センター総長)が「地道に意見をまとめるのが我々の責務」と述べると、齋藤英彦座長(名古屋セントラル病院院長)の「ある程度絞った意見を厚生労働大臣に届け出る」との意見で元の鞘に収まった。
 「利害関係で意見がまとまらない」というのは、どの会議を見ても同じこと。ならばいっそ、政治主導で決めてしまおうという民主党の考え方は、それはそれでいいと思う。しかし、これまでを見ると、結局前よりひどくなるという有様。民主党に対する、現場と有識者の合従連衡はないものか。
(2011年2月25日掲載)