薬事ニュース社
オピニオン

>>>地震への備えを進めたい<<<
 石川県で震度7の揺れを観測した能登半島地震の発生から約1か月が経つ。地震の回数は徐々に減少しているものの、まだ余震が続いている状況だ。石川県珠洲市では市内の住宅のおよそ半数が全壊になる見通しが示されるなど、被災地の状況が明らかになるとともに、その被害がいかに甚大かが分かってきている。
 さらに、多くの被災者が身を寄せる避難所からはインフルエンザなどの感染症リスクが高まっていることや、長引く避難生活による心の不調に対するケアの重要性も指摘されている。地震や津波による直接的な死は免れたにもかかわらず、その後の厳しい避難生活などで命を落としてしまう「災害関連死」の犠牲者も相次いでいて、東日本大震災や熊本地震でも多くの避難者が災害関連死で亡くなっている。
 日本に住んでいる以上、常に地震のリスクにさらされている。今後首都圏でも、首都直下地震による大地震が起きる可能性は高いとされるが、もし災害が起き、避難をすることになったら、自分は安全に避難できるか、その備えはできているのかと問われると自信はない。しかし地震があるものと想定して備えをすれば、自分の生命や周りの人々を助けることができるかもしれない。まずは一人一人の対策、地震への備えを進めることが、命をまもるための第一歩となる。
(2024年2月2日掲載)