薬事ニュース社
オピニオン

>>>初体験――GEへの変更<<<
 先日、休日に体調を崩し当番医を受診した。いつもとは違う医療機関にかかり、その医院のそばにあったA調剤薬局に入った。処方せんを渡すと、すぐに「同様の効き目のジェネリックにしませんか」と聞いてきた。返事をしないでいると、溶出試験と同等性試験の要点をプリントアウトした資料をもとに「試験で同等性が証明されているから大丈夫。味も先発の○○より工夫されています。お使いになってみてはいかがですか」と、説明をしてくれる。「どのメーカーの製品か?」「味が違うとはどういうことか?」といった質問にもスラスラと回答する。薬剤師の勧め通りジェネリック医薬品を処方してもらい薬局を出た。他に患者がいなかったこともあるが、入って5分程度しかたっていなかった。薬剤師から「ジェネリックにしませんか」と聞かれたのは、初めての体験だった。
 これまで使っていた調剤薬局など近所の薬局で話を聞くと、「後発品医薬品調剤体制加算」の算定要件で30%以上を取るのは、大変な要件のようだ。そこでは、ジェネリック医薬品に関する相談時間を週に1回設けているが、「眼科のB医院はジェネリック医薬品を認めるが、皮膚科のC医院は先発品に拘る」など、近隣の医師の対応にも影響されるそうで、1軒でも先発に拘る医療機関があると30%の達成は難しいという。
 診療報酬改定で導入された薬局へのインセンティブにより、業界関係者は「かつてない手応えを感じる」と、成長への自信を深めている。しかし、それでも国が掲げる「2012年にシェア30%」達成については厳しい見方が多い。今回、薬局による対応の違いを身をもって体験したが、A調剤薬局のような薬局が増えないとジェネリック医薬品の普及は難しいのだろう。
(2010年8月6日掲載)