薬事ニュース社
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>>>自民党・創薬PTの実効性<<<
 自由民主党・社会保障制度調査会の「創薬力の強化育成に関するPT」が活発な動きをみせている。3月4日の初会合から現在(4月23日時点)までに3回開催し、日本製薬団体連合会などからヒアリングを実施。4月27日にも有識者ヒアリングを行い、GW明けにも提言を取りまとめ、政府の「骨太方針2021」や厚生労働省が策定する「新たな医薬品産業ビジョン」に、党としての意見を反映させたい考えだ。
 製薬産業を後押しする自民党の会議体としてはすでに、厚生労働関係議員と製薬産業界の有志で構成される「製薬産業政策に関する勉強会」が存在しており、元内閣総理大臣補佐官の衛藤晟一氏が会長を務める。一方の「創薬PT」は、診療報酬改定の調整などにも関与してきた社会保障制度調査会の下に設置されたプロジェクトチームであり、「自民党の正式な組織」(自民党厚生労働関係議員)として発足しただけに、今後の薬価政策を巡る攻防に、製薬産業界からの注目も集まる。
 ただ、実効性についてはまだまだ未知数だ。特に薬価政策を巡る調整では、診療報酬改定を含めた財源論を避けて通れず、「自民党の正式な組織」であるだけに、有志議員で構成する議員連盟とは違って党内手続きの難航も予想される。事実、社会保障制度調査会の鴨下一郎調査会長は初会合の冒頭で、「慎重かつ建設的な議論をしなければハレーションもある」と話していた。次期衆議院選挙に向けた足音が近づきつつあるなか、度重なる薬価改定でダメージを受けている医薬品業界は、「創薬PT」の動向を注視している。
(2021年5月7日掲載)