薬事ニュース社
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>>>第三者組織をめぐり「新たにわかったこと」<<<
 「薬害再発防止の制度実現に取り組む国会議員連盟」は4月10日、薬事行政の第三者監視評価組織について、厚生労働省からヒヤリングを行った。議員からの質問は「なぜ、閣法の提出が断念に至ったか」に集中した。
 ヒヤリングを傍聴した薬害肝炎全国原告団の山口美智子代表は、「議員さんの追及によって、新たにわかったことがある」と述べた。それは、厚労省が閣法としての提出をめぐり、総務省及び官邸と調整を行っていたこと。そして、通常国会への提出を断念した理由の一つに、当時の国会情勢があったことを厚労省側が明言したことだ。山口代表は「これまでの説明では閣議決定ばかりだった」としている。
 閣議決定とは、99年4月に閣議決定された「審議会等の整理合理化に関する基本的計画」のこと。新たな審議会は原則として作ってはならないというもので、厚労省はこれを理由に「第三者監視評価組織を作ることは難しい」と主張してきたのである。ヒヤリングでは、総務省からも同様の指摘があったことが明らかとなった。
 議連では、社会民主党の福島みずほ党首が「閣議決定は何の障害にもならない」と追及、厚労省から「第三者監視組織は必要」「閣法を含めてどういう調整ができるか検討している」との回答を引き出した。山口代表は「国会情勢が原因なら、今なら閣法でできるのではないか」と期待を募らせるが、果たして厚労省は応えることができるであろうか。
(2013年4月19日掲載)