薬事ニュース社
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>>>スギ花粉症になった外国人の話<<<
 知り合いの外国人が昨年花粉症になった。風邪かと思って医師に診てもらったら、診断結果はスギ花粉による花粉症。医師からマスク着用を勧められたが、今なおこれを拒否し続けている。実は当人、生まれて此の方、マスクをつけたことがない。聞けば、本国アメリカではマスク着用の習慣がなく、マスク姿で歩こうものなら、「そばに寄ると稀有な病気がうつされる」「マスクで隠さなければならないようないわくつきの顔をしているのか」などと、警戒心や懐疑心を相手に与えてしまうのだとか。今はもう見慣れたようだが、14年前に来日した際には、マスク姿で街中を闊歩する日本人を見て仰天したという。
 ちょっと調べてみたところ、マスク着用の習慣があるのは東アジア、東南アジアの地域にとどまり、アメリカ、カナダ、フランス、イギリス等の欧米ではそれがないようだ。スギ花粉症は日本特有の疾患だとしても、風邪やインフルエンザは世界共通の疾患。ましてや90年代初頭にスペイン風邪が大流行した時、当時の欧米人はマスク着用で防御していたのにも関らず、その習慣が残っていないとは不可思議。そういえば、フランス政府が初めて今年からインフルエンザ予防のためにマスク着用を呼びかけたが、その効果はサッパリだとか。仲間うちでは「欧米人はアジア人以上に見た目を気にするのかも」「他人にうつしてはならないという配慮が欧米人には欠けているから」などと辛口分析も出た。
 話を戻して前出の外国人。記録的な暖冬で早くも花粉症の症状が出始め、しかも昨年よりも症状が重くなってしまった様子。それでも尚、外出時のマスク着用は拒否し、最近では大手旅行会社主催の「花粉症疎開ツアー」なるものに参加し、スギ花粉が飛散しない北海道や沖縄への脱出計画を真剣に検討しているとのこと。
(2007年3月2日掲載)