薬事ニュース社
オピニオン

>>>薬ネット販売問題、「ロスタイム」の攻防に<<<
 改正薬事法に基づく新医薬品制度が6月に全面施行される。これに先立ち、医薬品のネット販売を第三類医薬品に限定するとの省令案を巡り、ネット販売の推進派・慎重派が、様々な攻防を繰り広げてきた。そして2月6日、案通りの改正省令が公布。ただ、これでどちらかが“王手”かといえば、そうでもない。同日、舛添大臣直属の「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」の開催が決まり、最終結論の場はそこに移される。
 省令は発布されたが、施行は6月なので未だタイムラグがある。その間に“白黒つける”ということらしい。となると結論は、①ネット推進派にも一理あるので、再度省令等を改め6月の施行へ②ネット慎重派が正しいのでこのまま――のどちらかが導き出される。
結論が前者①だった場合、▽ネット販売の「全面解禁」▽「(第二類医薬品だけや一部など)部分解禁」▽省令はいじらないけど通知で対応、などとなり、通知は別として、パブコメ、自治体条例改正等考えると、早急な結論も求められる。
 結論が後者②だった場合、▽ネットの話はこれで終了。将来また折を見て▽同検討会を医薬品ネット販売のあり方議論中心で継続▽一度会合を終了し、新たに検討会を立ち上げ議論するとの「提言」のとりまとめ、と言った形になるか。
 6月施行までの期間はサッカーだといわば「ロスタイム」。その間の議論で、大臣は省令見直しという結論はありうるとしている。また国会審議も必要となる施行期日延期や法そのものの改定も、検討会の結論として否定していない。とにかく議論を尽くそう、ということのようなので、議論自体は“中締め”があるにせよ、長引くかもしれない。「ロスタイム」でどんな展開があり得るのか。
(2009年2月13日掲載)