薬事ニュース社
オピニオン

>>>組み体操とヘディング<<<
 運動会から「組み体操」を外そうとする動きが活発化しているらしい。「危ないから」というのが理由らしいが、この話を聞いたときは、「何を今さら」というのと「過剰反応では」という考えが入り混じった。筆者は、もともと組み体操自体好きではないというか、無理に全員に役割を振った全員参加型の集団行動というのが好きではなかったので、組み体操がなくなるのは個人的にはむしろ賛成なのだが、「危ないから」というのはしっくりこない。「ケガをしないようにしっかり練習する」ことが授業ですることなのではと思ってしまう。
 そんなことを思っていたら、過剰なのは日本だけではなかったようだ。アメリカでは、少年サッカーのヘディングに制限を設けた。ニュースによると、10歳以下はヘディング禁止で、11~13歳は練習中のヘディング回数を制限するとか。何かの薬の「使用上の注意」のようだ。10歳以下のヘディング禁止は、まあわかる。「練習中のヘディング回数を制限する」は逆では? 練習できちんと練習して、試合で回数を制限する(…無理かな)。いずれにしても、ちゃんと練習しないとむしろ試合中のケガが増えそうだ。筆者はサッカー少年で、試合中に脳震盪を起こしたことがある。それはヘディングが原因ではなく、シュート態勢に入って片足になったところを横から激しいタックルを受けて吹っ飛ばされたのが原因だ。むしろ、スライディングやタックルのほうが危険なのだが。
(2015年12月25日掲載)