薬事ニュース社
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>>>薬剤師をめぐるあれこれ<<<
 10日に行われた参院選は、自民党の圧勝という結果に終わった。選挙戦の最中に、安倍晋三元総理大臣が凶弾に倒れたことから弔い合戦の様相を呈していたが、元々、岸田文雄首相には目立った失点がなく、支持率もそれなりに高い水準をキープしていることから、ある意味予想通りの結果となった。薬業関係では、日本薬剤師連盟の組織内候補で、任期満了に伴い引退する藤井基之議員の後継となる神谷政幸氏が初当選を果たした。製薬企業での勤務経験があり、薬剤師として現場に出ていた経歴をもつ神谷氏。今後、国政の場でのような活動を展開するのか注目だ。
 さて薬剤師をめぐっては、厚生労働省は7月11日に「薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ」の「とりまとめ」を公表した。「とりまとめ」は、薬局薬剤師の業務や薬局の機能に関する課題について検討し、具体的な対策を提示したもの。素人ながらに中身を拝見したが、薬局薬剤師はこんなにも多岐にわたるのだなと素直に驚いた。さらに言えば、医療を受ける側の患者・国民には、薬局や薬剤師の担っている役割を理解している人はほぼ存在しないのではないかとも感じた。病気になった時、病院・診療所について調べる人はいても、薬局のことを調べる人はおそらく少ない。「とりまとめ」に描かれる職能を発揮するためにも、身近なようで意外と知られていない薬局・薬剤師の役割を、広く周知することも大きな課題だ。
(2022年7月22日掲載)