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>>>レアディジーズデイ2011<<<
 レアディジーズデイ(世界希少・難治性疾患の日)は、より良い診断や治療による希少・難治性疾患患者の生活の質の向上を目指して、スウェーデンで2008年2月から始まった活動だ。09年には世界各地の30カ国が参加、日本でも10年からイベントを開催している。イベントでは、パネル展示で「希少・難治性疾患」の治療薬や現在進行中の研究について紹介したり、患者の生の声を聞いたりすることができる。昨年公開された映画「小さな命が呼ぶとき」は、実話に基づいたポンぺ病治療薬開発物語だが、製薬会社に難病のポンペ病患者とその家族を招きミーティングを行うというイベントと同様のシーンが出てくる。
 中外製薬の永山治社長もトップ製薬企業の姿について、「死を覚悟していた患者さんが庭仕事できるまで回復した感動を研究開発部門に伝える」と、研究開発部門のモチベーションの重要性について言及している。
 また、ファーママーケティングコンサルタントの井上良一氏は、「創薬研究を志す者はその技術とともに患者の苦しみへの熱い思い無くして成功はないと思うが、ほとんど患者を見たことがない人が創薬研究を行っているのが現状」とし、レアディジーズデイへの製薬企業の積極的な参加を勧めている。
 今年のレアディジーズデイのイベントは2月28日(9時~21時)、東京・丸の内オアゾ「OO(おお)広場」で開催される。希少・難治性疾患の数は6000を超えると言われているが、治療法が確立されている疾患は10%以下であり、多くのアンメット・メディカル・ニーズが存在する。業界の皆さんも覘いてみてはいかがか。
(2011年2月11日掲載)