薬事ニュース社
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>>>“ドクターヘリ”に28億円<<<
 以前、ドクターヘリで活躍する若き救急医たちの姿を描いた「コード・ブルー」というドラマの話をタネに、国の予算としてのドクターヘリ導入促進事業費についてふれた。今回も、「コード・ブルー」の2シーズンが始まったことをタネとして、同様の話をしたい。
 さて、2010年度予算政府案において、ドクターヘリはどうなったのかというと、「ドクターヘリの導入促進事業の充実」として、28億円の予算が計上された。民主党がマニフェストにおいて救急医療体制の強化を謳っていたこともあってのことか、昨年比7億円増となった。
 では、この28億円とはどのくらいの予算なのかをちょっと推測してみよう。救急ヘリ病院ネットワーク「HEM-Net」によると、10年1月現在、17都道府県で21機のドクターヘリが配備されている。ドクターヘリ1機における1年間の運用費用は約2億円とのことなので、現状の機数の運用費は年間42億円だ。資金は、厚生労働省と地方自治体が折半となっているので、ざっと7億円ほどが“体制強化”に使われるということになろうか。厚生労働省の『予算案主要事項』に、「ドクターヘリに対する補助事業について、補助基準額の引上げを行い、ドクターヘリの安定的な運航の確保を図る」と記されているように、積極的な配備というところまではいかなそうである。どちらにしても、ドラマのような大事故があまり起こらないことを願いたい。
(2010年2月19日掲載)