薬事ニュース社
オピニオン

>>>少数意見は尊重するだけ<<<
 中学時代、担任の教師に「少数意見は尊重するだけ」と言われたことがある。多数決の結果に納得がいかず、担任に直訴したときに言われた言葉だ。納得いかなくてもしかたがない。それが民主主義ってものだと。
 最近、協議会などを傍聴して感じることは、患者代表委員同士の意見の違いだ。患者団体は数あれど、共通したイデオロギーのようなものがある印象を持つが、厚労省案に賛成する患者委員もいれば、反対する者もいる。圧力団体間の意見が合わないことはよく見られていたが、近頃は患者間でも目立つ感じだ。
 圧力団体にも、患者会にも共通して言えることだが、代表して協議会に出席する以上、主張しなければならないし、メンツがあるのもわかる。しかし、事務局案の中に、自分の発言が反映されていないと「無視された」と追及したり、アレも入れてほしい、コレも書き込んでほしいという要望が相次いで、出来上がった提言なり報告書が、一瞥しただけで読む気が失せる分厚いものになったり、重要部分が両論併記になって、何もとりまとまっていないものができるというのが一つのパターンになっている。これも実情だ。
 この際、決をとるという手段を見直しては。「決をとるようなことはしたくない」とは、協議会などでよく聞く言葉だが、それぞれの意見を尊重し、十分吟味した上での多数決なら、それは受け入れるべきだろう。少なくとも、少数意見を羅列した報告書をとりまとめるよりはいくらかマシなのでは。
(2011年11月4日掲載)