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>>>マスク着用の考え方が変わる<<<
 週明けの3月13日より、国による国民のマスク着用に対する考え方が変更となる。「屋内では原則着用、屋外では原則不要」との取扱いを改め、「行政が一律にルールとして求めるのではなく、個人の主体的な選択を尊重し、マスクの着用は個人の判断に委ねることを基本とする」という。ただ現状は、「屋外では原則不要だったの?」と感じてしまうくらい、マスクを外している人をほぼ見かけない。今後、どのように景色が変わるのか興味深い。
 厚生労働省はこのマスクの取扱いを進めるにあたり、2月10付けの事務連絡で詳細な考え方を示した。ここでは「マスクの着用は個人の判断」としつつ、マスク着用を推奨する場面として、医療機関や高齢者施設などへの訪問時や、混雑した電車やバスに乗車する時などを例示している。一見、マスク着用の機会は大幅に減るのではないかと思えるが、「事業者が感染対策上又は事業上の理由等により、利用者又は従業員にマスクの着用を求めることは許容される」としており、結局は着用が求められる場面が減らないことも想定される。
 厚労省は、考え方の変更に伴い「本人の意思に反してマスクの着脱を強いることがないよう、個人の主体的な判断が尊重されるよう、ご配慮をお願いします」と国民に呼びかけた。いわゆる“マスク警察”を想定しての要請だろうが、「面倒な人と関わりたくない」という理由でマスクを外さないという人も少なくはないだろう。
(2023年3月10日掲載)