薬事ニュース社
オピニオン

>>>改革の「正体」見たり……<<<
 規制改革推進派が、相変わらず気炎を上げている。「総合規制改革会議」から、「規制改革・民間開放推進会議」と名前は変わっても、「混合診療の解禁」や「医業経営への株式会社参入」など、医療分野に風穴を開けるべく、虎視眈々と狙うその姿勢には、まったく変化は見られない。すでに昨年来の議論をきっかけに、厚生労働省の審議会で販売体制の「抜本的見直し」が始まったOTCについても、飽くまで「販売自由化」を主張して譲らない。ところで会議のこうした強硬姿勢とは裏腹に、周囲の反応には若干の変化が見られるように感じるのは気のせいだろうか。なかでも「OTC販売」に関しては、やはり一般メディアの取り上げ方に、昨年のような“熱狂”ぶりは見られない。はて、これはどうしたことか。
 ごく素直に受け取れば、厚労省や薬害被害者団体が主張する薬の「危険性」に対する認識も、一連の議論を通じて深まった、ということは考えられる。しかし、やっぱり穿った見方もしたくなる。今年最大の社会的事件と言っても過言ではなかろう、プロ野球再編問題で、W氏とともに、最後まで強硬に「1リーグ制移行」に固執していたM氏が、会議のトップを務めているのである。「規制改革とか言っても、やっぱり自社の利益のことしか考えてないんじゃないか」と思われても仕方のないところ。株式会社参入でも「O社が病院を経営したいから言っているだけ」とは、以前から医療業界で囁かれていたこと。ひょんなことから「馬脚を表した」などということにならなければいいのですが。

(2004年11月5日掲載)