薬事ニュース社
オピニオン

>>>ハムスターと人間<<<
 私の知人に、化粧品等の動物実験規制など、動物の保護に関する活動を行っている女性がいる。食事も野菜食で、お酒もたしなまない。ハムスターやモルモットといったげっ歯類のペットを飼育していて、飼育法に関する執筆なども行っている。
 そんな彼女が最近ハマっているのが、「進撃の巨人」だそうだ。ご存じない方のために簡単に補足すると、少年誌に連載されている人気漫画で、現在はアニメも放映されている。あらすじは、人類に突如天敵として「巨人」が出現し、人間を捕食していくという話だ。かなり衝撃的な内容である。野菜食の平和主義的な彼女がこのアニメにハマっているというのが不思議で、「似合わないですね」と言ったら、「巨人に対する人間の大きさが、ちょうどゴールデンハムスターほどの大きさですよね。つまり、人間もネズミの気持ちがわかるアニメではないかな」との回答。なるほど。次々と巨人に捕食されていく人間の姿が、人間の都合で犠牲となっているハムスターの姿と重なって見えるということか。
 アニメでは、母親が巨人の餌食となった主人公が、巨人との戦いに挑んでいく。その主人公のセリフに「(巨人を)駆逐してやる」というのがある。そこで、「ハムスターも人間を駆逐したいのですかね」と言ったら「ハムスターは何も考えてなさそう。そう思うと、人間って現状を受け入れない動物ですよね」とのこと。それはいい意味なのか、悪い意味なのかは聞かなかった。
(2013年9月20日掲載)