薬事ニュース社
オピニオン

>>>日薬にきざす“南北朝時代”の足音<<<
 「個人攻撃をするような人間が議長になる認識は?」
 先の日本薬剤師会代議員会冒頭の議長選挙でひと波乱あった。前回の日薬副会長選挙で、当時の漆畑副会長を個人“口撃”する場面があったが、その“口撃者”本人が議長に立候補したため、代議員がそう質した。当日の議長選には、その“口撃者”と前副議長2名が名乗りを挙げていた。
 もともと、関東ブロックは副議長候補を探していたが、第1候補にフラれたことで、この“口撃者”に白羽の矢が立った模様。が、副議長の座は福岡県の有力候補も狙っていて油断はできない。一方、議長枠に関しては、立候補者の元副議長に対し、地元から“もう辞めるべき”との声も噴出。さらに、同氏は学校薬剤師会の副会長であり、同会法人化の動きを不快とする執行部には煙たい存在。その意を受けて、“口撃者”が議長に鞍替えしたとの話もある。ただ、その選出の仕方は反感をかった。「公の候補なのに、一部の人間が秘密裏に決めている」と関東ブロックの若手代議員が反発。冒頭発言者同様、義憤を提示した。
 そうした経緯を経ながらも、結果は“口撃者”73票、前副議長58票で、“口撃者”が新議長に当選。が、白票17票を加えると、両者とも有効投票数148票の過半数に達しておらず、きわどかった。一連の動きをある関係者は、「漆畑派・アンチ執行部派連合軍」VS「執行部軍」の戦いだったと分析。そして「漆畑氏は他団体移籍で“裏切り者”扱いされているが、漆畑派を含めたアンチ執行部票ということでは過半数を超えている」と述べ、軍配を「連合軍」に挙げている。これから見えるのは、なりふり構わず組織をまとめようとする執行部と、“一部の人間が組織を壟断(ろうだん)している”と非難する若手の姿。今回、思わぬ世代間闘争が顕在化した形だ。
(2006年9月8日掲載)