薬事ニュース社
オピニオン

>>>異物混入<<<
 先日、インスタント焼きそばの容器内に虫が混入するという事件が起き、製品の回収はおろか、全工場での製造自粛、全商品の販売休止という事態となった。医薬品においても、さすがに虫が混入したという話は聞かないが、異物(髪など)が混入したとして自主回収するという知らせはたまに見る。このような情報を目にするたびに思うのが、「GMPに準拠していたら、髪なんて混入しないのでは」という疑問だ。
 製薬工場が医薬品を製造する際の製造管理および品質管理の基準として「GMP(医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準)」がある。同基準の目的の一つにあるのが、「医薬品の汚染防止」だ。ある製薬企業の品質管理責任者に話を聞いたところ、ここでいう汚染防止とは、いわゆる細菌といった微生物などを指すのだという。髪などは想定には入っていないようで、それらが混入するのは現場スタッフの意識の問題となるそうだ。帽子をきちんとかぶっているかとか、そういうことなのだろう。因みに、工場見学に行って感じることは、各メーカーとも虫の侵入に対してはしっかり警戒態勢をとっている。
 製薬工場は、基準の順守状況等についてPMDAや都道府県から査察を受けるが、企業本社からの査察もある。そこでは「ドラマ半沢直樹」のようなやり取りが行われるのか聞いてみたら、「敵対関係にあるわけではないので、相手を潰してやろうというようなことはない」そうだ。
(2015年1月16日掲載)