薬事ニュース社
オピニオン

>>>民主党の大勝<<<
 民主党の圧勝に終わった第45回衆院選。戦後日本の政局において、間違いなく最大と言えようこの歴史的な出来事に、開票結果が出揃った後も、マスコミ各社は熱狂ともいうべき姿勢でその後の話題を世間に発信している。今回の選挙結果は、民主党が積極的に選ばれたものなのか、はたまた、自民党政権を否定することによって生み出されたものなのか、あるいはその両方か、真実はとても見えるものではないが、当面は政治の動向に注目せざるを得ない。
 民主党は、政治主導の政策決定を行うことを常々宣言してきた。首相直属の機関である国家戦略局の設置はその目玉で、民主党がマニフェストで公約した政策などを実現するため、予算の骨格や重要政策、国家ビジョンを策定するとされる。ここ数年の自民党政権時には、年金、医療など、日本の社会保障制度の根幹を揺るがす問題が一気に噴出した。新政権誕生ということで、日本という国家が、社会保障をどのように考え、何を実現していくか、国全体で考えていくことは重要な視点といえる。
 日本の社会保障制度が揺らぎ始めたのは、自民党の長きにわたる政権支配と、その下で粛々と地位を築きあげた行政官僚の2軸により、時代に応じた制度全体の構造修正を行えなかった点が大きな要因だろう。当然、安定的な政治状況を良しとしてきた国民の責任も少なくない。選挙制度が儀礼的なものではなく、政権選択という位置付けとなった意味は大きい。
(2009年9月18日掲載)