薬事ニュース社
オピニオン

>>>常識的に言ってありえない<<<
 医薬品医療機器総合機構(PMDA)は3月22日、運営評議会を開催した。PMDAの11年度事業計画や予算について、学識経験者や消費者の代表などからなる運営評議会の了承を得るというのが主な主旨だが、その際、PMDAは人事・組織運営有識者会議を設置したと報告した。人事マネジメントや行政運営の専門家5名で構成されたもので、PMDAの効率的な組織形態や職員のキャリアアップ等について協議を行い、PMDAにアドバイスしていくというものだ。この会議の設置は、政府・行政刷新会議の事業仕分けなどで「ガバナンスの強化が重要」との指摘を受けたことなどが原因とのこと。
 しかし……。事業仕分けで主に指摘されたことは、厚生労働省からの現役職員の出向が多いことで、PMDAの独立性を担保する必要があるとの内容だったはず。昨年11月に行われた“再仕分け”では、厚労省からの出向者が同省には戻れない「片道切符」を4~5年で導入すると、岡本充功大臣政務官はおっしゃった。この出向についても、有識者会議で協議されるのだろうか。運営評議会後、近藤達也理事長に聞いてみた。
 すると、協議されるかどうかについてははっきりしたことは聞けなかったが、「再仕分けでは片道切符を導入と言っていたが」と聞くと「常識的に言ってありえない」と一笑。「私はね、PMDAに常識を持ち込むために来たんだ。常識で考えてありえないでしょう」仕分け結果などアウト・オブ・眼中といったおもむき。……大丈夫?
(2011年4月15日掲載)