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>>>MR認定制度改革のジレンマ<<<
 MR認定制度が2026年より改定される。現在、その内容について検討が進められているが、主な改定ポイントは▽MR認定試験の受験資格撤廃▽MRの実務教育における共通の認定基準の策定――となる。この改定により、ジレンマを抱えることになったのがMR認定試験だ。
 MR認定センターの近澤洋平専務理事は10月25日の会見で「公益財団法人として、我々の取り組みが公益目的にかなっているのか。そういう観点で制度を改めていかなければならない」と述べた。同日に配布された資料には、制度改定の考え方として「内閣府のチェックポイントに基づき、更なる公益性、公正性の拡大」とある。公益認定等ガイドラインには、公益目的事業のチェックポイントというのがあり、その一つに「資格付与の機会が一般に開かれているか」がある。従来のMR認定試験には「導入教育基礎教育修了認定者」という受験資格があった。しかし「公益財団法人の使命として、受験希望者に門戸を開く必要がある」ため、受験資格を撤廃する方向性となったのだ。ここでジレンマが生じる。元来MRの資質向上が第一義的な目的の試験であるのに、製薬企業の社員でなくても、薬学部の学生でなくても、誰でも受けられる試験となるのだ。この改定により、MR認定試験をどう位置付けるか、MR認定試験の名称をどうするかまで検討を迫られることとなった。来年7月に制度改定の詳細が公表される見込みだが、どんな試験名になっているだろう。
(2023年11月10日掲載)