薬事ニュース社
オピニオン

>>>学会の注意喚起<<<
 先日、とある学会の職員の方と話をする機会があったのだが、ここ数年、学会の名を騙り、会員の個人情報を聞き出そうとした事例が増えているのだそう。ちょっと気になったので調べてみると、確かに、複数の学会で同様の事例について注意喚起をしている状況が見受けられた。不審者の手口も年々巧妙になっており、特に地方において学会やその支部が本当に手掛けている事業・イベントに関係があるかのように装い、情報を引き出そうとしているらしい。不覚にも取り次いでしまった例もあるようで、マンションや会員権購入の勧誘など、やはり学会活動とは全く関係の無い要件だった。学会が、明確な理由なしに医師の個人情報等を聞き出すことは無いので注意が必要だ。
 学会による会員への注意喚起と言えば、最近、企業が関係したものを見かけた。会員が、企業から患者向けに原稿を書いてほしいと依頼されて応じたところ、意図しない形で原稿が集客に利用されていることが判明し、その掲載をお断りしたという報告があったそうだ。これを受け、学会は企業等からの各種依頼について会員に注意を促すことになった訳だが、このケース、企業の説明不足だったのか、あえて意図を隠して依頼をしたのか、いずれにしても企業の姿勢・管理体制が問われる話だ。このご時勢、企業は思わぬところで足をすくわれぬよう、今一度社内をチェックする必要があるだろう。
(2018年3月2日掲載)