薬事ニュース社
オピニオン

>>>飛び交うキャッチフレーズ<<<
 東京都では新型コロナウイルスの感染者が連日500人を超える状況が続いている。こうした状況で政府はこのほど、飲食をする時だけマスクを外して、会話をする時はマスクを付ける「静かなマスク会食」を新しい生活様式として提案している。個人的には現実的になかなか難しいのではないかというのが率直な感想。そもそも、マスクしてまで会食したくないと思う人は多いのではないかと思う。語呂も悪いし「静かなマスク会食」がキャッチフレーズとして浸透するか心配である。
 一方で小池百合子都知事も先日、「5つの小」の徹底を呼び掛けた。小池知事は恒例のフリップを用いた会見で、「会食は是非『小人数』。できれば『小一時間』。『小声』で楽しんで、料理は『小皿』に分けて、『小まめ』に換気や消毒をしていただく』。5つの小を合言葉にして、感染防止対策の徹底を」と訴えた。「静かなマスク会食」よりはキャッチーなフレーズだが、どれも散々言われていることばかりで既視感を覚えた。経済活動への悪影響を恐れ、抜本的な対策から目を背けているようにも感じる。都はコロナの感染が急速に拡大する中、「Go To トラベル」への対応を検討する考えらしいが、政府と都で「停止は地方の判断」「停止は国の責任」と意見が対立している。キャッチフレーズを発信することも良いが、そろそろ手を取り合ってもらい足並みを揃えてもらいたいものである。
(2020年12月4日掲載)