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>>>アレルギー対策指針、いよいよ策定<<<
 アレルギー疾患対策の基本指針策定に向けた議論が大詰めを迎えている。指針は12月上旬に開催予定の厚生労働省のアレルギー疾患対策推進協議会で取りまとめられる見通しだ。議論は2月の協議会設置とともに始まり、当初は夏頃の取りまとめを目指していた。健康局がん・疾病対策課によれば、議論が遅れた主な要因は熊本地震の影響による開催の遅延らしいが、本当にそれだけだろうか。
 これまでの議論を振り返ってみると、指針のたたき台が示された9月の会合が、一つの転機となったように思われる。会合では複数の医師委員が、医療提供体制の整備を巡るたたき台の記載について、「表現が曖昧」「実行されない恐れがある」などと反対。限られたリソースで医療現場を回す苦労と限界が語られ、拠点病院の指定などの具体的な記載が要求された。
 9月会合の時点では、指針の取りまとめは10月会合の予定だったが、フタを開けてみると、12月会合までかかることがわかった。取りまとめの延期との関係は不明だが、10月会合で示されたたたき台の修正版には、医療提供体制の整備の実施が明記されていた。
 しかし、体制整備の問題はまだまだ続きそうだ。9月会合では、医師委員の要求に対して渡辺真俊がん・疾病対策課長が、指針の取りまとめ後にワーキンググループの設置などを通じて検討を進める考えを示し、その場をおさめた経緯がある。いよいよの指針策定とともに、新たな議論が始まるわけだ。厚労省のアレルギー対策を今後も注視していきたい。
(2016年11月11日掲載)