薬事ニュース社
オピニオン

>>>看護師不足対策は、コミュニケーションツールの開発から<<<
 看護師不足という問題も抱える日本において、外国人看護師を日本に受け入れる取り組みが行われているという。これは、海外の看護師を日本に受け入れた後、看護師候補者には日本の看護師国家試験に合格し、日本の看護師になってもらおうという考え。ただ、進捗状況は芳しいものではないらしい。一番の問題は語学と言われ、日本に来る前に現地で日本語学習をしているものの、日本の国家試験を受けるレベルには至らず、数百人の候補者が現在までに2回試験を受けたが全員不合格との結果に終わった。なお、候補者達は1年後に3回目の試験を受け、不合格の場合は即刻国外退去となる。
 二つ目の問題は、現地で看護師としての経験を持つ候補者が、日本ではシーツの交換や掃除、ベッドメイクなど特別な資格や知識の必要がない業務を主とする看護補助者となり、看護師としての仕事ができないこと。これは、看護師としての技術を落としてしまい、士気も削がれ、最悪の場合国際交流の妨げになるとの懸念もある。せっかく来てくれる候補者に対し、日本人看護師の指導下であれば、看護師に近い仕事をできるようにするなどの手段はないだろうか。
 しかし気がかりなことは、人の命にかかわる仕事を言葉も文化も異なる人から受ける患者はどう感じるだろうということ。日本人ならではのニュアンスによる意思疎通は不可能と考えられ、これらの問題に対し、なにかよいコミュニケーションツールはないものだろうか。
(2009年12月25日掲載)