薬事ニュース社
オピニオン

>>>大型買収が相次いだ2008年<<<
 2008年は、エーザイによるMGIファーマの買収で年が開け、4月には武田薬品がミレニアム社の買収を発表した。今後の成長が見込め、グローバル競争の主戦場となっている癌領域の強化が狙いだ。驚きさめやらぬ6月には、第一三共がランバクシーの買収を発表。やはり、今後の成長が見込まれる新興国市場を睨んだ新薬事業とジェネリック事業の“複眼経営”と、第一三共の庄田隆社長は説明した。また、第一三共はドイツのバイオ医薬品企業U3ファーマAGを買収し、抗体医薬、癌領域の強化も図った。
 一方、国内大手に続いて海外展開を狙う塩野義製薬は、9月に米サイエル社を買収し、米国での販売体制整備を進めている。
 また、国を挙げて使用促進を図っているジェネリック医薬品市場では、世界最大のGEメーカーテバが興和と、あすか製薬がアクタヴィス社と合弁会社設立を決めるなど、外資系企業の参入も相次いだ。
 このほか、流通ではメディセオ・パルタックとアルフレッサHDが来年4月の合併を発表。売上高4兆円規模の卸が誕生することになった。呼応するかのように、バイタルネットとケーエスケーも経営統合を発表し、医薬品卸の集中化・大規模化が進んでいる。製薬企業の価格政策にも影響を与えそうだ。
 2009年には、大日本住友製薬の海外戦略が具体化するだろう。これらの動きからは、大手企業がより強くなるために、積極策を講じていることがうかがえる。今後は、大手以外の企業戦略が問われることになるだろう。景気の先行きは厳しいともっぱらだが、2008年も5日を残すのみ。2009年が良い年となりますように。
(2008年12月26日掲載)