薬事ニュース社
オピニオン

>>>“ゆう活”の成否やいかに?<<<
 最近、政府が“ゆう活”なるものを推している。曰く、“ゆう活”とは「明るい時間が長い夏の間は、朝早くから働き始め、夕方には家族などと過ごせるよう、夏の生活スタイルを変革する新たな国民運動」とのこと。「ゆうやけ時間活動推進」を略した通称“ゆう活”を掲げ、具体的には、夏の時期に「朝型勤務」や「フレックスタイム制」を推進し、夕方早くに職場を出る生活スタイルを定着させたい考えのようだ。
 どこかで聞いた話だなと思っていたら、そう、近年その導入について話は出るものの、いつの間か消えている「サマータイム」の内容と似ている。サマータイムは、夏季に日が出ている時間を活用することを目的に、標準時を1時間進めた時刻を使用する制度で、主に欧米などで導入されている。日本においても第二次大戦直後は導入されていたが、連合軍による占領が終了する頃には廃止となり、以後、実施されていない。
 この“ゆう活”、まずは国家公務員から、ということで、7月1日より取り組みを開始。自らが手本となり、国全体に広げていきたい姿勢を示している。ただ、巷では「民間と違ってお役所仕事だからできるんじゃないか」と揶揄する声も聞こえてくる。かつてのサマータイム導入が失敗したように、長年染み付いた労働環境や慣習を変えることはとても容易ではない。“ゆう活”には、結局残業が増えるのではとの懸念がある一方、働き方の選択肢が増えるとして歓迎する声もある。“ゆう活”の成否やいかに?
(2015年7月24日掲載)