薬事ニュース社
オピニオン

>>>世の中はマッチングが大切<<<
 人と人との出会い、人と企業または人とモノとの出会いにおいて、〝相性が良い〟というのは大事なことである。結婚、就職など人生に大きく関わるイベントから、ペットと飼い主、個人とお気に入りの食べ物屋、個人とお気に入りの美容院のお姉さんとの関係に至るまで、個の特性よりも、相互作用の方が〝相性〟に関しては重要になる。例えば、AさんがB社では優れた業績を残したのに、転職先のC社では役立たずに終わったとする。いくらAさんが卓越した能力を持っていたとしても、相性が良くなかったC社ではその才能も発揮できなかった、ということだ。
 患者とそれに合う薬または医者とのマッチング――もまた重要である。己を顧みれば約2年前から高血圧の薬を服用し始め、一番初めの薬Oは効き過ぎ、二番目のAは弱過ぎ、およそ半年間の模索期間を経てようやく〝マッチする〟薬Vに辿り着き1年半、今度はその相性の良い薬が、とある事情にて当該医院では使われなくなり、再び慣れない新たな薬で様子見をすることに相成った。せっかく良い就職先に巡り合えたのに、そこが倒産してしまったようなものだ。
 またこれからの超高齢化社会では、一人暮らしの高齢者も急増するだろう。まだ元気で「人のために何かしたい」意欲を持つ人もいれば、人の手を借りて生きて行かざるを得ない高齢者もいる。その互いを必要とする両者が、無事マッチングできるような仕組みができると、世の中はよりスムーズに、より幸福になっていくのではないだろうか? ほかにも、「廃棄される食物」と「食糧を必要とする人々」、「保健所で殺処分されるのを待っている動物」と「ペットを必要とする人々」等々を〝相性良く〟結びつける仕組みをより拡充できたら、と思う今日この頃。
(2013年9月13日掲載)