薬事ニュース社
オピニオン

>>>知ることの重要性<<<
 先日、新型コロナワクチンの2回目接種を体験した。1回目接種の時は、接種部の痛みとわずかな体温上昇、軽い倦怠感・関節痛と、日常生活に支障をきたすような副反応は出なかったのだが、今回は違った。翌日の朝から体調の悪化を感じていたが、午後には体温が39℃近くまで上昇し、重たい倦怠感・関節痛に、頭痛も加わった。幸い、厚生労働省関連の取材を通じて副反応の頻度や内容、対処法を知っていたため不安感は無く、接種時に案内された窓口と相談の上、常備薬として購入していたOTCの解熱鎮痛剤を服用することで無事に乗り越えた。
 国民全体の視点でみれば、普段から厚生労働省やその検討会の情報をチェックしている人は少ないだろう。これらのサイトではワクチンの副反応の情報も掲載されているが、国民の大半はここから情報を得るのではなく、著名人のSNSやニュースサイトを通じて入手しているという話はよく聞く。当然、規制当局以外の情報の中には、エビデンスの怪しいものが散見され、このことがワクチンに対する不信や不安感に繋がっていることは問題になっている。国は何か不都合な真実を隠しているのではないか、という視点は場合によっては重要になるケースもあるかとは思うが、頭ごなしにその説を取り入れることは危険だと思う。何はともあれ、今回の新型コロナワクチンの副反応を通じて、正確な情報をいち早く知っておくことの重要性を強く認識した。
(2021年10月8日掲載)