薬事ニュース社
オピニオン

>>>個人間取引市場は完全に定着<<<
 先日、東京都福祉保健局薬務課のサイバー薬事監視に取材へ行った際、コロナ禍でインターネット個人間取引サイト(オークション・フリーマーケット等)の利用者が文字通り『爆増』したとの話を聞いた。急激というより爆発的な伸長という表現が当てはまるほどのジャンプアップで、コロナ禍がそれを後押ししたことは明らかだという。記者周辺を見渡してもその利用者は多い。そしてみんな「上手いこと儲けている」印象だ。既に過去の状態となってしまったが、マスクや消毒液などが相次いでオークション・フリマサイトに出品され、実店舗から全く姿を消したことと、それに伴う転売規制法が設けられたことなどは、個人間取引はもはや市場としての確固たる地位を確立していることの証だ。同課はサイト事業者と協力してパトロール等を行っているが、「出品スピードがとてつもない」ことが課題であるという。事業者側もAIや禁止ワードを用いて医薬品などの出品を防いでいるが、「どうしてもすり抜けることがある」と頭を悩ませている。コロナ禍によるニューノーマルは浸透しつつあるなか、医療関係者は「モノ」がどのような流通形態で国民の手元にあるのか、今一度知る必要があるだろう。
(2021年2月5日掲載)