薬事ニュース社
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>>>患者家族を元気に<<<
 8月26日、NPO法人地域精神保健福祉機構コンボが開催した「リカバリー全国フォーラム」において、精神疾患患者の家族支援についての分科会を聴講した。大阪府東大阪市の阪本病院では昨年、院内において患者家族による家族学習会を開催。全5回にオブザーバー参加した精神保健福祉士の高岡睦昌氏が報告した。
 学習会の中では制度の話などになると補足したいと思う場面も多々あったとのことだが、「せっかく家族同士で作り上げた空気感を壊してしまうのはいけないと思い、最後の振り返りの時まで発言しないようにした」と述べた。また、「とにかく元気になって帰ってもらいたいから」治療的効果を求めすぎないよう意識したという。
 高岡氏によると、患者にはデイケアや支援センターなどの機関が増えた一方、家族にはそのような場所はなく、「病院だけの責任ではないかもしれないが患者家族を孤立させてきたことには反省しなくてはいけない」と述べた。
 今後の課題として「一番のネックは参加者募集」で、さらに多職種を巻き込みこのような取組みを根付かせることが必要とし、「地域の中に家族だけが集まって語り合える場があったらいいと思う」とした。
 受け入れてくれる場所、分かり合える人がどこかにいるということを、一人でも多くの患者家族に知ってほしい。
(2016年9月9日掲載)