薬事ニュース社
オピニオン

>>>ガス器具の作業員から学んだこと<<<
 先日、室外に取り付けてあるガス給湯器から水漏れするようになったため、新しいものと交換することになった。ガス器具の業者からは、必ず在宅してほしい、しかし室内での作業はないということだったので、土曜日の朝一番に来てもらうことにした。
 当日朝9時に作業員は2人で来た。年かさの作業員が、まずは古い給湯器を外すタイミングでブレーカーを落とす、と言う。「失礼します」と部屋に入ってきた。これを室内での作業と言わず何と言うのだろう。さらに新しい給湯器を付ける際もブレーカーを落とすと言うので、作業員が外へ出た後、周りにあった物を別室に移した。
 しばらくして声がかかり、作業員が再度部屋へ入って来た。今度は自信を持って案内した。やれやれ、と思った。
 しかし、安心するのは早かった。またも声がかかり、最後にお湯が出るか確認すると言う。私は焦った。前日の洗い物が流しに置きっぱなしだ。夕食を自炊したのは良かったが眠気に勝てず片づけないまま寝てしまったのだ。いつもはちゃんとしてるのに・・・とまでは言わないが、きちんと伝えてくれていれば絶対に洗っておいた。
 ブレーカーを落とすことやお湯が出るかの確認は彼らにとって「作業」に入らないのだろうが、私にとっては「家に入るかどうか」が重要だった。言葉というのは立場が違えば受け取り方も違うということが身に染みた。
(2016年1月29日掲載)