薬事ニュース社
オピニオン

>>>5月23日は難病の日<<<
 2014年5月23日に、「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)が成立した。これを記念し日本難病・疾病団体協議会は、毎年5月23日を「難病の日」に登録した。
 現在、難病にかかる医療費の助成が受けられる「難病医療費助成制度」の対象疾患(指定難病)は338疾病となっており、また、この指定難病は厚生科学審議会で検討され、その結果を踏まえて順次、対象疾病の追加が行われている。難病患者の療養生活の環境整備は日々進められていると言える。
 一方でアレクシオンファーマが指定難病患者500名を対象に行った「難病に関する意識調査」によると、難病患者の約6割が「生活」において課題と感じていることは、「通院負担が大きい:59.8%」「行政や医療機関の難病に関する相談窓口が周知されていない:58.0%」「支援・補助制度の情報がまとめられておらず、わかりにくい:57.6%」と回答しており、「指定難病」の制度に行きつかない患者も多く存在することが伺える。加えて難病患者が感じる「難病に対する社会の理解」に関する課題では、「難病の理解向上への啓発活動が不足している:62.6%」「難病についての企業の理解が十分でなく、就労の困難がある:55.0%」などと回答しており、難病患者を取り巻く社会環境にはまだまだ課題が残されていることがわかる。
 多様性を受け入れ、ダイバーシティが叫ばれる時代においても、「知られていない」ことが「多様性」に加わる難しさは課題としてある。5月23日をきっかけに、「難病」がより多くの人に認知されることを願う。
(2023年6月2日掲載)