薬事ニュース社
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>>>薬局に求められるOTC薬の備蓄品目数<<<
 「薬局は地域住民に要求される全てのOTC薬を揃えていなければならない」――。10月に山形市内で開催された日本薬剤師会の学術大会のシンポジウムで、OTC薬担当の生出泉太郎副会長はこのように語る。医薬分業の進展とともに薬局は調剤業務に偏向。薬局での売上構成比率も96%は処方せん調剤が占める。薬局は処方せん調剤を行う施設。OTC薬を購入するのであればドラッグストア。このようなイメージが国民に定着している。
 「処方せんを持たなければ入れない薬局からの脱却」は、日薬や厚労省が今後の分業政策で掲げている重点テーマの1つ。しかし現状はそう簡単ではない。個人経営の薬局には、豊富な品揃えを誇る大手ドラッグストアに対抗できず、不良在庫として抱えてしまうという問題があるからだ。冒頭に示したシンポジウムで傍聴者の薬剤師からは、「最低で何品目のOTC薬を揃えておけばいいのか」という質問があがり、生出副会長は「せめて500品目以上」と回答した。
 厚生労働省は14年度予算概算要求で、一定の基準を満たした薬局を健康情報拠点として公表する「健康ナビステーション(仮称)」の構想を掲げている。認定基準には当然、OTC薬の取り扱いも含まれる。担当官は「備蓄品目数などは今後の議論だが、OTC薬を見本程度に並べる程度では駄目」と語る一方、薬系技官の間では「800品目ぐらいは扱ってほしい」との声もあがる。
(2014年12月5日掲載)