薬事ニュース社
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>>>アルコール検知器が不足している<<<
 警察庁が所管する制度の1つに「安全運転管理者制度」というものがある。これは、道路交通法に基づき、一定台数以上の自動車を使用する事業所において、事業主や安全運転管理者の責任を明確にし、道路交通法令の遵守や交通事故の防止を図ることを目的とする制度だ。もちろん、製薬業界にも大きく関係がある。
 あってはならないことだが、時々、飲酒運転による悲惨な事故が世間を騒がしている。飲酒運転防止対策もこの制度の範疇に入っており、最近では、安全運転管理者の業務として、運転者に対する目視での「酒気帯び確認」と、その内容を記録して1年間保存することを義務付ける「目視等義務化規定」が、道路交通法施行規則の一部改正を受けて4月1日に施行となった。
 この道路交通法施行規則の一部改正では、“アルコール検知器”を用いた酒気帯び確認などを義務付ける「アルコール検知器使用義務化規定」を今年10月1日に施行することになっているが、警察庁はこのほど、この規定の適用を当面見送ることを決めた。その理由には、アルコール検知器の需要増に対する供給キャパシティ不足、コロナ禍の半導体不足や物流停滞の影響などを挙げており、改めて新型コロナウイルス感染症の影響の大きさを実感した。
 当然だが、アルコール検知器がなくても飲酒運転は絶対に駄目だ。製薬業界は人々の命や健康に大きく関わっている。制度の趣旨をよく理解し、範を垂れる業界であってほしい。
(2022年9月23日掲載)