薬事ニュース社
オピニオン

>>>献血のすゝめ<<<
 厚生労働省はこのほど、15年度の「献血推進計画」についてパブリックコメントを開始した。来年度は全血採血で140万L、成分採血で59万L、合計199万Lの確保を目指す。達成に向けては、20代や30代では献血を経験してもリピーターにならないケースが多いことから、特に企業などに対して協力を求めるという。
 厚労省の公表資料によると13年度の総献血者数は約521万人で、03年の562万人から40万人以上減少している。日本赤十字社のシミュレーションでは、高齢化の進展などにより27年に輸血用血液製剤の供給量がピークを迎えるが、現在の献血率のままでは献血者が89万人ほど不足するそうだ。
 東日本大震災の発生直後に献血者が急増したとの報道を目にしたが、そのような献身的な姿勢は素晴らしいと思う。しかし、災害のような緊急時だけでなく日頃の習慣として献血に協力することが大切であり、厚労省や日赤は呼びかけ続けなければならない。
 かく言う私は10回を超える複数回献血者。針を刺されるのは痛いし、採血中は動けないので退屈だが、飲み物やお菓子が振る舞われ、いいことをした気分に浸りながら清潔な献血センターでする読書というのはなかなか楽しい。全血だと年間の献血回数が限られるが、休日の過ごし方のひとつにおすすめだ。ただ、あくまでも善意の行いだと理解しつつも、もう少しプレゼントを工夫してもらえないかと思わなくもない。
(2015年1月30日掲載)