薬事ニュース社
オピニオン

>>>2020年度調剤報酬改定<<<
 中央社会保険医療協議会・総会が12月4日に開かれ、2020年度調剤報酬改定に向けた議論を一巡させた。次期改定でもこれまでと同様、「調剤料」の適正化を進める一方で、薬剤師の「対人業務」を充実化させるめの「薬学管理料」の評価拡充を行う方針だ。調剤基本料に関しても、いわゆる「門前薬局」や「敷地内薬局」を対象に引き下げる方向性を示している。
 これまでの改定で厚労省は、「調剤料」を引き下げて捻出した財源を「薬学管理料」に充当し、「かかりつけ薬剤師指導料」や「薬剤服用歴管理指導料」でさまざまな評価を付けてきた。次期改定に向けても、喘息患者に対する吸入指導や在宅患者への簡易懸濁法の説明・指導、糖尿病患者への調剤後の電話などを通じたフォローアップ、血液検査の結果を活用した疑義照会による処方薬の最適化といった評価項目を列挙している。
 しかし、診療・支払側委員からは十分な理解を得られていない。特に診療側の城守国斗委員(日本医師会常任理事)は「新たに業務を拡大する。あるいは複雑な業務が発生するといったケースに対し、調剤報酬で新たな評価を付けるのは良いが、そうではなく、現行の業務を切り分けて、そのなかで新たな項目を提案している」と厳しい発言を残した。
 調剤料の引き下げが避けられない情勢のなか、薬学管理料の評価を充実させなければ、調剤報酬自体が深く切り込まれる事態となる。厚労省保険局医療課の田宮憲一薬剤管理官は会合で「対物から対人業務への転換という議論のなかで、現行の服薬指導で手間がかかっている部分について、それなりに評価できないか検討したい」と理解を求めた。
(2019年12月13日掲載)