薬事ニュース社
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>>>花粉症シーズンがやってきた<<<
 2024年の花粉シーズンがやってきた。2月11日の週に九州全域で花粉の飛散が確認されて以降、徐々にその飛散エリアが拡大しているという。かくいう筆者も、15年程前から花粉症に煩わされており、花粉の飛散状況には敏感な方だ。シーズンごとに症状の出方に違いはあるのだが、生活に支障が出ることには変わりがないので、今からどうやってこのシーズンを乗り切ろうかと頭を悩ませている。
 これまでの花粉症対策は個人で行う事が基本だったが、今シーズンからは国も積極的にその対応に乗り出している。政府は2023年5月、「花粉症は未だ多くの国民を悩ませ続けている社会問題」と位置付け、国による花粉症への対応方針「花粉症対策の全体像」を決定した。全体像では、今後10年を視野に入れた▽発生源対策▽飛散対策▽発症・曝露対策――を示している。医療・相談体制の整備や治療法・治療薬の開発に向けた研究開発支援といったものから、花粉発生源のスギ人工林を減少させるための各種施策など、幅広の対策を打ち出しているのが特徴だ。さらに「将来的(約30年後)には花粉発生量の半減を目指す」ともしており、その効果を我が身で実感できるかどうかは分からないのだが、期待せずにはいられない。政府や行政の不祥事などで計画が白紙になることや、予算が年々削減されていつの間にか消滅といった懸念材料はあるが、花粉症に悩む身としては、着実な実施を願っている。
(2024年2月23日掲載)