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>>>スワローズVSバファローズの実現を<<<
 贔屓の野球チームがリーグ優勝を決めた。例年、夏以降は失速していたが、今年は神がかったように勢いが止まらなかった。立役者の一人に、全試合4番で先発出場した村上宗隆選手が挙げられる。今季は史上最年少の100本塁打、100打点を達成、加えてファンから「村上監督」の愛称で呼ばれるほど、弱冠21歳とは思えぬ貫禄を持ち、チームを鼓舞し、牽引してきた。
 村上選手は2017年のドラフト会議で、清宮幸太郎選手のハズレ1位で交渉権を得た選手だ。毎年ドラフト前には雑誌を買い、動画を見て、自分内の候補選手を考案するのが楽しみとなっている私は、村上選手に◎をつけていた。ヤクルトスワローズが村上選手を指名し、見事交渉権を獲得した時には歓喜したものだった。◎をつけた選手の一人に、ドラフト6位でバファローズに入団した明徳義塾高校の西浦颯太選手がいた。同じ九州出身で、村上選手とは小学校時代からの友人かつライバルだったという西浦選手は、高い身体能力に加え、試合の状況判断に長けた「野球センス」のある稀有な選手だと感じていた。
 9月、その西浦選手が今季限りで現役引退することを発表した。かねてより指定難病の「特発性大腿骨頭壊死症」と闘病していたが、病状悪化を受け決意したという。22歳、まだまだこれからという時だ。心情を察するに余りある。しかし西浦選手は村上選手に「絶対、優勝しろよ」との言葉を贈ったという。村上選手は西浦選手の思いも背負ってプレーしていると述べていた。奇しくも今季のパリーグを制したのはバファローズ。野球の神様が存在するなら、日本シリーズはスワローズVSバファローズの対戦を実現してほしい。
(2021年11月1日掲載)