薬事ニュース社
オピニオン

>>>認知症予防には〝いいかげん〟が一番?<<<
 世の人々の認知症に対する関心度はかなりのもので、「予防には○○が良い」としたTVや雑誌の企画は毎度好評のようだ。医学誌「Journal of Alzheimer's Disease」にはかつて、カレーの成分であるウコン(ショウガ科植物の根)に含まれるクルクミンが、アルツハイマー病の原因物質を抑制し、認知症改善の可能性が示唆される――とのレポートが掲載されたとのこと。またウコンを日常的にカレーなどで摂取しているインドの高齢者は、米国の同年代と比べてアルツハイマー病患者数が4分の1程度であるとの報告もあるという。認知症に対する理解度が不足している点や、実際に治療を受けていない潜在的な患者数を考慮すれば、インドの認知症患者はもっと多いのかも知れないが、それを差し引いてもウコンの力は侮れないと思われる。カレー粉は元来、漢方薬だったという説もあるくらいだ。かといって毎日カレーライスを漫然と食べていればいいというものでもなく(炭水化物の取りすぎは良くないらしい)、生活習慣と食べ物や薬との良いバランスが必要だそう。認知症になりにくい人の特徴としては、頑固一徹でない、身体・指先を動かすのが好き、色気のある生活を送っている――等が科学的根拠のない、あくまでウワサとして挙げられているが、主義主張がなくいいかげんで楽器を弾くのが趣味で色を好みインドカレーが好物の人物(誰のこと?)は、認知症の発症率が低いものと推定されるのだろうか? そういえば、アルツハイマー病患者の比率が低いとされるインドの人たちも悪い言い方をすればいいかげんで、よく言えば悲観的にならず人生を楽しんでいる人が多かった。〝いいかげん〟とは〝良い加減〟とも表記できるのだ。
(2014年7月11日掲載)