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>>>後発医薬品の新目標<<<
 日本ジェネリック製薬協会の調べによると、2020年度第3四半期の後発医薬品の数量シェアは79.4%だった。この数値は、政府が掲げた「2020年9月までに80%」には届かないものの、元々の目標だった「20年度末までの間のなるべく早い時期に80%以上」を考慮すると、順調に進んでいるというところか。
 国が後発医薬品の使用促進策を打ち出してからしばらく経つが、田村憲久厚生労働大臣は昨年11月、政府の経済財政諮問会議で、バイオシミラーの使用促進策を含む“新たな目標”を年度内に示す意欲をみせた。80%という目標の達成が眼前に迫る中、次は85%、90%か、いや、まずは全都道府県で80%以上かといった様々な観測が業界内で流れており、特に後発医薬品メーカーは国の目標が経営に直結してきたこともあり関心はことのほか高いようだ。
 さて、この文章を書いているのは、まさに20年度最終日というタイミングになるが、まだ新目標は発表されていない。3月に入ったあたりから年度内に目標を示すことは難しいという話を聞いていたので驚きはしないが、やはり、小林化工、日医工と、後発品メーカーに対する行政処分が立て続けに出されたことが大きく影響している。関係者間では「新たな目標どころではない。安定供給が再優先だ」との意見が出ているというが、果たして、この文章が掲載されるまでに新目標は出ているのだろうか。
(2021年4月9日掲載)